最近、”オーガニック” や ”Non-GMO(非遺伝子組み換え)”という言葉をよく見かけるようになりました。
なんとなく「体に良さそう」と思って買っている方も多いかもしれませんが、
この2つ、実は全く違う意味を持っているんです。
当初は、私自身も正直、Non-GMO、オーガニックの違いについてよく理解していませんでした。
今回は、日常的に食べる「卵」を例に、オーガニックとNon-GMOの違いを説明します。
Non-GMO卵とは?
Non-GMOとは「遺伝子組み換えでない(Non-Genetically Modified Organism)」という意味。
Non-GMO卵とは、鶏の餌に遺伝子組み換え作物を使っていない卵のことです。
GMOとNon-GMOの説明の記事はコチラ
具体的には?
- 鶏の餌にGMO(遺伝子組み換え作物)を使っていない
- 飼育方法(ケージ飼い or 平飼い)、抗生物質の使用などは問わない
- 「Non-GMO」とラベル表示されていても、必ずしもオーガニックではない
つまり、餌がNon-GMOであれば良いということです。
卵に関しては”平飼い”という言葉をよく見かけますが、Non-GMOは平飼いとは全く関係がない、ということです。
オーガニック卵とは?

オーガニック卵の説明に入る前に、オーガニックとは何かを説明します。
“オーガニック(有機)”とは、化学合成された農薬・肥料・添加物などを使わずに、自然の力を活かして育てられた農産物や畜産物のことを指します。
特に日本では「有機JAS認証」があり、以下のような条件があります:
- 化学合成農薬・化学肥料を原則使用しない
- 遺伝子組み換え技術を使用しない
- 土や環境の健康を保つことを重視
- 畜産の場合、飼料も有機で、動物福祉に配慮した飼育が必要
つまり、オーガニック卵は、飼料・飼育環境・薬剤使用・環境保全など、全体にわたって厳しい基準を満たした卵のこと。
平飼い卵はNon-GMOよりもオーガニックの枠組みに入ります。※平飼い=オーガニックでもありませんが、、、
オーガニック卵の条件(日本の場合)
- 有機飼料(化学肥料・農薬不使用)+Non-GMO
- 鶏は平飼いまたは放牧で、自由に動き回れる環境
- 抗生物質・ホルモン剤の使用は制限または禁止
- 「有機JAS認証」などの公的認証が必要
つまり、「餌+環境+薬剤+認証」のすべてにおいて総合的に健康や環境に配慮された卵なんです。
表にするとこんな感じ。
項目 | オーガニック(有機) | Non-GMO(非遺伝子組み換え) |
定義 | 自然由来・化学物質を使わない。 | 遺伝子を人工的に組み換えていない。 |
飼料 | 有機飼料(=農薬・化学肥料不使用)+Non-GMO | 遺伝子組み換えでない飼料(農薬使用はあり) |
飼育環境 | 平飼いまたは放牧、動物福祉に配慮 | 特に定義なし |
農薬・肥料 | 不使用(化学合成農薬・化学肥料禁止) | 使用OK(表示対象ではない) |
添加物・抗生物質 | 原則禁止または厳しく制限 | 特に制限なし |
認証制度 | 有機JAS(日本)・USDA Organic(米国)など | 任意表示(国によって基準・制度は異なる) |
対象範囲 | 飼育環境・飼料・土壌・生産工程すべて | 遺伝子組換え作物を餌にしているか |
価格 | 高め(広範な基準を満たす必要あり) | 比較的安価 |
Non-GMO」と「オーガニック」は、似ているようで全然違います。
簡単にまとめると。
- Non-GMOは“餌だけ”に注目
- オーガニックは“飼料・環境・薬剤・認証”まで含めた包括的なもの。
どちらが良いかは、あなたの価値観とライフスタイル次第。
ただ、オーガニックだと思ってNon-GMO卵を買っていたなんてことがないようにしたいものです。
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